コラム

マラソンはエライ

刑務所に戻りたいといって人を刺した男のことが報じられていた。刑務所というのはそんなに居心地がいいところなのか。花輪和一という漫画家の描いた『刑務所の中』という漫画を読むと、塀の中は上々とは言えないまでも、居心地は悪くなさ・・・

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カツライスはいかが

山本ジョージという代議士の事件を聞いて、大方は「ああそんな歌手とおんなじ名前の奴もいたのか」くらいの印象だろうと思う。代議士といってもほとんどはそんなものだ。カツラに散財したというのは誰が考え付いた話か知らないが、確かに・・・

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暗愁ということ

東京の夏は暑いと思いつづけて何年になるだろう。今はどこへいってもクーラーがあるから昔から比べればうんと涼しくなっているはずだが、どうもそんな気にはなれず、今は今でやはり暑い。昔住んでいた江古田のアパートは喫茶店の二階にあ・・・

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30年前の夏休み

地下鉄の中で向かいの席に座っている男子高校生達が長い足を投げ出して何かの紙を見せ合っている。ふざけて取り合いしているうち、手を離れた1枚が足元に舞い落ちてきた。通知表とある。そうか、もう夏休みに入るのか。吉田拓郎の「夏休・・・

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たこ焼きの正しい食べ方

「ぶらり途中下車の旅」と言ったと思うが、土曜のちょっと遅い朝にやっているテレビ番組がある。東京近辺のなじみのある駅が登場するので、ついチャンネルをあわせてしまう。この間は、上野から池袋までの山手線の旅をやっていた。日暮里・・・

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甘納豆のうふふ

17歳の誕生日だった。我が家のささやかな夕食のテーブルになぜか放浪学生が一人鎮座していて「17歳か、17歳というと山口二矢がそうだったなあ」と恐ろしいことを言ったのだ。「いやだなあ、山口二矢ってあの浅沼稲二郎を刺した奴で・・・

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戦後の戦争

いわれは知らないが、7月の初めに公認会計士の日というのがある。その日を記念していつも講演会が開かれるのだが、今年の講師を誰にしようというので、西尾幹二氏がいいと提案したらあっさりと通ってしまった。西尾幹二氏はもともとはニ・・・

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ピアソラに出会う

ボクシングでパンチを受けすぎて脳に障害を生じたボクサーのことをパンチ・ドランカーというが、わが国政府もマスコミにたたかれつづけてとうとうパンチ・ドランカーになってしまったらしい。その結果、マスコミが喜びそうなことを率先し・・・

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ガングロ・サクソンの世紀末

池袋の文芸座で昔アメリカのポリスものを集めてオールナイトで上映したことを思い出した。これでもかこれでもかとポリスの不正ばかり出てくるのでうんざりした憶えがある。もちろんそれ以後もこの題材は尽きることがなく、ポリスものは次・・・

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アルジャーノンに花束を

「『アルジャーノンに花束を』は読んでますよね」と当然のようにいわれて、どうだったっけと迷いつつ言葉を濁したが、本屋に行ってページをめくってみたら読んでいなかった。題名自体は前から知っていたし、花束をあしらった表紙もだいぶ・・・

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2000年の後

公園に面した道が100メートルほど直線で伸びている。道いっぱいに積もっていた落ち葉が日を追うごとに少なくなってきた。カサカサと鳴る落ち葉を踏んで誰もが足早に行過ぎる。朝の冷気を感じながら歩く冬の歩道は、好きだなあ。余計な・・・

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ラーメンを食べながら

予備校で世界史を教えていた頃、いや日本史だったか、遠い昔のことですっかり忘れてしまったが、憶えているのは予備校の近くの蕎麦屋にいつも出前を頼んでいたことと、ゴム長で出前に来た兄ちゃんの顔。正式にはカレー丼というのか、蕎麦・・・

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生ムギ生ゴミ生卵

マッスルトレーナーといって1キロずつ重りの入っている靴をときどきはいている。手に持ってみると、ビックリするほど重く、1キロというのはこんなにかと思うが、実際に歩いてみるとそれほどのことはない。タカをくくって、この間、新宿・・・

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マスコミ経済の時代

テレビに向かって悪態ばかりついていると、見なければいいのにといわれる。そうはいかない。なんだかんだいっても、テレビ中毒なのである。そんなに重症ではないと思うが。 麻薬患者が、自分を蝕んだ麻薬の悪口を言う。麻薬を売りつけた・・・

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鯨を食べる

あまり大きな声では言えないが、若い頃はたまに仕事をズル休みしてひとりで温泉につかりに行ってみたり、映画館にフラッと入ってみたりしてみたものだった。今でもときどきそういう誘惑にかられるが、若い頃と違ってついあとさきのことを・・・

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苦しむ力

「障害者や環境という言葉には偽善の匂いがして好きになれない」と娘が言う。まさかとは思うが、こういう感性まで遺伝したということはないだろう。そんな私が障害者の野球チームを主人公にした映画に誘われて、ノコノコと見に行ってしま・・・

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4コマの苦労

ホームシアターというのか、大画面でビデオ映画を見る会をやっているから来ないかと前から誘われていた。映画好きの人達、といっても数人だが2か月に1回土曜の午後に集まっているという。『慕情』をやったときはひどい二日酔いで行けな・・・

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五月の藁

  鎌倉の小さなすし屋で晩年の小林秀雄氏を見かけたのは昭和50年ごろだったと思う。今日出海氏やそのほかの鎌倉文士達もそこにいた。たまたま入ったすし屋だったのだが、偶然の僥倖というのか、後でその話をして友人たちをずいぶん・・・

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いまどきのバランスシート

石原都知事の選挙公約に確か、東京都のバランスシートを作るというのがあった。バランスシートというのは、ご承知のように左側に資産を表示し、右側に負債と資本を表示する企業の財務諸表の一つである。企業の、いわばビジネスの複式簿記・・・

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もてない男

 日本経済の先行きは暗く、米国経済は依然として好調である。どうしてそうなったのか、エコノミストを囲む会で誰かが質問した。だが、なるほどという答えは返ってこなかった。そこで、天邪鬼流に考えてみた。アメリカでハサミを買ったと・・・

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天邪鬼の言い分

「法学セミナー」という硬派の雑誌を読んでいたら、戸野本優子さんというルポライターの書いた「財政再建団体のすすめ」という記事が巻頭に掲載されていた。読んでみると、日本で唯一の財政再建団体という福岡県田川郡赤池町の様子が書か・・・

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ムトゥを見に行く

 昔の卒業アルバムの写真をテレビで使うからといって、アシスタント・ディレクターを名乗る髪の長い男が事務所に借りにきた。中学の同級生に一人芸能人がいるのだが、彼の回顧談の中でアルバムの写真を映したいというのだ。よく貸したき・・・

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ノストラダムスの預言

 今年も残り少なくなったといえば、通り一遍の時候の挨拶だが、いつもとは少し趣の異なる年の暮れである。というのも、来年はいよいよ1999年、あのノストラダムスの預言の年に当たる。 「1999年の7ヶ月、 恐怖の大王が空に現・・・

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再び、駅への長い道

鈴鹿にF1を見に行った。ダンプと交通事故を起こしたばかりで、あまり車を見たい心境ではなかったが、苦労して手に入れたチケットとやっととれた宿を無駄にしたくない一心だった。数ヶ月前、チケットが売り出された日に娘と電話をかけま・・・

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駅への長い道

台風の日に短大の授業に行ったら、あるクラスは学生が一人しか来ていなかった。ところが次の週も一人だったので、どうしたのだろうと不安になって、ほかの教室をのぞきに行ったら、そっちも一人だった。ベテランの講師にきいてみると、こ・・・

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ここだけの話

事務所で残業して遅くなってしまったときなど、帰りがけにときどき立ち寄るようになった店がある。いわゆるオープンカフェスタイルの店で、人通りの少ないところにあるせいか、席はゆったりしていて値段も安い。客は圧倒的に欧米系の外国・・・

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焼け跡闇市に帰る

橋本政権のあとを引き継いで誰が首相になるのか、梶山氏のように考えがはっきりしているひとがいいと思うが、年齢的にどうかという意見がある。日本はこれから高齢化社会を迎えることでもあり、今までのようになんでも若がえればいいとい・・・

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ビッグバンに御用心

金融ビッグバンの経営への影響というテーマで50枚書けという。ややこしいテーマだとは思ったが、できませんというのもシャクなので引き受けてしまった。ま、そんなに知識があるわけじゃないが、たとえ知識がなくても一応あるよなふりを・・・

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ヒゲの弁解

40を過ぎたら顔に責任を持てとかなんとかいうのがある。40を過ぎなくても、だいたいみんな責任はとらされているはずで、40を過ぎてからことさらにいわれるのは少し合点が行かないが、そんなことはまあいいとして。ヒゲを生やしてい・・・

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無趣味の趣味

ある会で、趣味をきかれて「なし」と答えるべきところを、「無趣味」と書いたら、会報に「趣味:無趣味」と印刷されてしまった。「無趣味が趣味ってどういうことですか」。なにか深い意味でもあるように思われてきかれるので困った。あた・・・

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