コラム

苦しむ力

「障害者や環境という言葉には偽善の匂いがして好きになれない」と娘が言う。まさかとは思うが、こういう感性まで遺伝したということはないだろう。そんな私が障害者の野球チームを主人公にした映画に誘われて、ノコノコと見に行ってしま・・・

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4コマの苦労

ホームシアターというのか、大画面でビデオ映画を見る会をやっているから来ないかと前から誘われていた。映画好きの人達、といっても数人だが2か月に1回土曜の午後に集まっているという。『慕情』をやったときはひどい二日酔いで行けな・・・

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五月の藁

  鎌倉の小さなすし屋で晩年の小林秀雄氏を見かけたのは昭和50年ごろだったと思う。今日出海氏やそのほかの鎌倉文士達もそこにいた。たまたま入ったすし屋だったのだが、偶然の僥倖というのか、後でその話をして友人たちをずいぶん・・・

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いまどきのバランスシート

石原都知事の選挙公約に確か、東京都のバランスシートを作るというのがあった。バランスシートというのは、ご承知のように左側に資産を表示し、右側に負債と資本を表示する企業の財務諸表の一つである。企業の、いわばビジネスの複式簿記・・・

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もてない男

 日本経済の先行きは暗く、米国経済は依然として好調である。どうしてそうなったのか、エコノミストを囲む会で誰かが質問した。だが、なるほどという答えは返ってこなかった。そこで、天邪鬼流に考えてみた。アメリカでハサミを買ったと・・・

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天邪鬼の言い分

「法学セミナー」という硬派の雑誌を読んでいたら、戸野本優子さんというルポライターの書いた「財政再建団体のすすめ」という記事が巻頭に掲載されていた。読んでみると、日本で唯一の財政再建団体という福岡県田川郡赤池町の様子が書か・・・

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ムトゥを見に行く

 昔の卒業アルバムの写真をテレビで使うからといって、アシスタント・ディレクターを名乗る髪の長い男が事務所に借りにきた。中学の同級生に一人芸能人がいるのだが、彼の回顧談の中でアルバムの写真を映したいというのだ。よく貸したき・・・

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ノストラダムスの預言

 今年も残り少なくなったといえば、通り一遍の時候の挨拶だが、いつもとは少し趣の異なる年の暮れである。というのも、来年はいよいよ1999年、あのノストラダムスの預言の年に当たる。 「1999年の7ヶ月、 恐怖の大王が空に現・・・

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再び、駅への長い道

鈴鹿にF1を見に行った。ダンプと交通事故を起こしたばかりで、あまり車を見たい心境ではなかったが、苦労して手に入れたチケットとやっととれた宿を無駄にしたくない一心だった。数ヶ月前、チケットが売り出された日に娘と電話をかけま・・・

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駅への長い道

台風の日に短大の授業に行ったら、あるクラスは学生が一人しか来ていなかった。ところが次の週も一人だったので、どうしたのだろうと不安になって、ほかの教室をのぞきに行ったら、そっちも一人だった。ベテランの講師にきいてみると、こ・・・

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ここだけの話

事務所で残業して遅くなってしまったときなど、帰りがけにときどき立ち寄るようになった店がある。いわゆるオープンカフェスタイルの店で、人通りの少ないところにあるせいか、席はゆったりしていて値段も安い。客は圧倒的に欧米系の外国・・・

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焼け跡闇市に帰る

橋本政権のあとを引き継いで誰が首相になるのか、梶山氏のように考えがはっきりしているひとがいいと思うが、年齢的にどうかという意見がある。日本はこれから高齢化社会を迎えることでもあり、今までのようになんでも若がえればいいとい・・・

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ビッグバンに御用心

金融ビッグバンの経営への影響というテーマで50枚書けという。ややこしいテーマだとは思ったが、できませんというのもシャクなので引き受けてしまった。ま、そんなに知識があるわけじゃないが、たとえ知識がなくても一応あるよなふりを・・・

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ヒゲの弁解

40を過ぎたら顔に責任を持てとかなんとかいうのがある。40を過ぎなくても、だいたいみんな責任はとらされているはずで、40を過ぎてからことさらにいわれるのは少し合点が行かないが、そんなことはまあいいとして。ヒゲを生やしてい・・・

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無趣味の趣味

ある会で、趣味をきかれて「なし」と答えるべきところを、「無趣味」と書いたら、会報に「趣味:無趣味」と印刷されてしまった。「無趣味が趣味ってどういうことですか」。なにか深い意味でもあるように思われてきかれるので困った。あた・・・

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健康を考える

近々ガンの手術をするという人から、お大事にといわれてしまった。風邪をひいて、咳が抜けないだけなのだが、変な咳だと思われて同情されてしまったのだ。ここ数年風邪などひかなかったのに、このところ立て続けにひいている。運動不足が・・・

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不評を買う

米国には公認会計士が20万人もいる。日本は1万人ちょっとだから、人口を割り引いても大変な数だ。試験もそんなに難しくないというので、最近は日本でも米国公認会計士の試験を受けようという人が多いらしい。毎日のようにそういう人向・・・

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洋食屋の味

 気に入った洋食屋を何軒かみつけて、しょっちゅう通っていたら、いつの間にかブクブクに肥ってしまった。仕方なく、行きたいのを我慢していたら少しは戻ったが、しばらく間があいた分、店の敷居が高くなった。「しばらくお見えになりま・・・

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熱のこもった話

 会計士というとほとんど押し黙って電卓をたたき続ける貝のような一生を想像し、それに心惹かれるような気持ちを持った時期もあった。自由闊達に話ができればいいと思うが、なかなか思ったとおりには言葉がでてこない。後でああ、あの言・・・

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他山の石

東海興業、多田建設、大都工業とゼネコンの倒産が相次いで、次はどこだろうと囁かれているところへ、ヤオハン倒産のニュースが飛び込んだ。ヤオハンの有価証券報告書はまだ見ていないが、ゼネコン3社の有価証券報告書を見てみると、東海・・・

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じっと手を見る

 中央公論にフォーリン・アフェアーズのページがあって、そこの極東代表のT氏がいつも雑誌を送ってくださるので、愛読者になってしまったのだが、9月号に沖縄のことを書いた論文が載っていた。米軍基地のおかげで沖縄の復興ができたこ・・・

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蕎麦を啜る

思いもしなかったところで、うまい蕎麦に出会う。とたんにこの上もなく幸せな気持ちになって、心躍らせながら、はらりとさばいてすすりけりだ。たとえばそれは、時間つぶしに入った下井草の街はずれの蕎麦屋であったり、うっかり迷い込ん・・・

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足の裏を洗う

子供の頃は足の裏のくすぐりっこなど、よくした気がする。足の裏に限らず、くすぐられるのは確かに苦しい。しかしヨーロッパ中世の拷問の中にくすぐるのもあって、そのための道具までもあるらしく、どこかに展示されているという記事を読・・・

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辞書を撫でる

「英文法を撫でる」という本があった。英文法という抽象的で一見無味乾燥なものに対する著者の愛おしみがいかにも伝わってくる表題だと思う。それに比べると、辞書を撫でるというのは、モノが具体的である分、落ちる。「頬ずりする」ぐら・・・

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最期の審判

 地震が頻発した。最期の審判ではないけれど、とうとう来るべきものが来たのかという気になった。一種自己懲罰の気持ちだろうか。 ともあれ、社会も人も天地もなんだか大きく揺れ始めている。

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自分の意見

 たそがれの同族国家という新聞の特集がおもしろかった。しかし、わが国の同族性で一番問題なのは、新聞の意見を自分の意見ととりちがえてしまう人があまりにも多いことではなかろうか。

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