コラム

センチメンタル・ジャーニー

確かこの倉庫が立っているあたりに、あのころは土俵があった。田舎に帰ったついでに、昔住んでいたあたりにみんなで行ってみようということになり、車を飛ばして来てみたのだ。今は市町村合併で地名も変わり、家ももちろん建て替えられて・・・

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大いなる謎

自然界に雄と雌があるのはなぜか。ほんとうのところは理由がよくわかっていないと知って驚いた。雄と雌があるのは、ほとんど当然のこととして疑問に思うことがなかったからである。しかし、自然界には雄と雌の区別がない無性生物も多く存・・・

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誰よりも世俗的な日本人

価値観とは、人が何に価値を認めるかということだが、世界の人々を対象に行われる「世界価値観調査」というのがある。2005年に行われたアンケート調査の結果を見ると今更ながら驚く。 調査では、世界80カ国以上の人々に対して、次・・・

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トイレの話

このところぐずついた天気のわりに、なかなかどーんという雨が降らず、東京の水がめが干上がりつつあると聞くと、責任者でもないのに、いささか心配になる。昔、沖縄の那覇にいたころ、一度だけ水不足を経験した。といっても、覚えている・・・

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水に落ちた犬

 現代は異常な時代である。といっても、そんなことはもうみんな知っているよといわれそうだが。私が思う現代の異常は、私たちの周りにあふれ返るおびただしい数の写真や画像である。人類の歴史に初めて写真が登場したのは、1826年で・・・

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過去こそが大事

湯布院の森号に乗って友人たちと湯布院に向かう途中、日田を通る。日田にはむかしタモリがいてボウリング場の支配人をしていたんだという話をする。タモリは、それまで博多で生命保険の勧誘の仕事をしていたが、口が立つのが災いしてなか・・・

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身の上相談

この世で一番恐ろしいものは何か。大地震? 津波?いやいや、大地震や津波よりも恐ろしく、人の営みを根こそぎ奪い尽くしていくもの。それは時代の変化である。 岩波文庫で出ている森鴎外の『渋江抽斎』が読みたくなり、高田馬場の芳林・・・

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家族にいったい何があるのだろう

カンボジアの首都プノンペンに去年行ったときには、日本のうどん屋は一軒しかなかったが、今年は大手の丸亀製麺をはじめ十軒近くに増えていて、さながらうどん戦争の様相を呈していた。 そのカンボジアで聞いた話。カンボジアの人たちは・・・

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ヒビの効用

子どもの頃、大鵬と握手をしたり、王や長嶋と一緒に写っている写真を持っている子がいたら、もうそれだけで、羨望を通り越して、一目も二目も置かれる存在だったろうと思う。私の周りにはそんな子はいなくて、せいぜいが雑誌か何かの抽選・・・

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久くん、待ちにし

クリスマスが近づいて、クリスマスソングが聞こえてくる頃になると、前にも話したことがあるかもしれないけど、と断りつつ、いつも誰かに切り出す話がある。 あれは、中学に進んで初めてのクリスマスの時だった。親元を離れ、寮や下宿に・・・

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戦争と人間

日本で戦争に反対する人が多いのは、その方が一般にウケがいいからである。空気が一変して、ウケるどころか非国民呼ばわりされるような社会になれば、きっと戦争に反対する人はほとんどいなくなるに違いない。 テレビのスポーツ中継を見・・・

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いいこと思いついた

役所などに行くと机の上に積み上げられた書類の高さに驚かされることがあるが、今までで一番ドギモを抜かれたのは、作家の大城立裕氏を職場に訪ねたときだ。記憶をたどってみると、今から36年前で、そのころの大城氏の年譜に沖縄資料編・・・

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結婚の条件

嫁を探しているがどこかにいい人がいないだろうかと聞かれたので、よしておけばよかったのだが、酒が入っていたせいもあって、「日本中どこを探しても、もういい人なんかいるわけがない、結婚は今の時代にはもう成立しなくなっているんで・・・

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ビルマの事々

7月の終わりに5日間の予定でミャンマーの古都ピーに出張した帰り。ピーからヤンゴンへと続く道路の両側は前日から降り続いた激しい雨のせいで川のようになっていた。そこに軒を連ねている商店や家々も水につかって、なすすべもなく立ち・・・

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日本軍の戦法

自分がもし大正時代に生まれて、徴兵され、招集されて旧日本軍の兵士となり、南方の戦地に送られていたらどうなっていただろうと想像するのは苦しい。結末がわかっているからである。 当時の兵隊たちは、自分たちの行く手にどんな運命が・・・

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時代閉塞の現状

石川啄木の歌集をよく読んでいた小学生のころ、私は石川啄木に強いあこがれを抱いた。啄木のような詩人になって20代で夭折する。極貧の中で肺病で死ぬ。なんと素敵な生き方だろうと子供心に思ったものだった。20代の半ばに沖縄に渡っ・・・

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悩みごとの神様

もう15年ほど前になるが、“金儲けの神様”といわれた作家の邱永漢先生と同じ会で講演をする機会があった。小説も金儲けのノウハウ本も一度も読んだことはなかったが、子供のころは本屋に行くと、カッパブックスのどういうタイトルだっ・・・

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寄席の話

若いころ悪友のKと一緒に池袋の寄席に落語を聞きに行った。食べ物の話が出てきて、「もりそばを食う時は、ギョクの一つも頼んで、そばの上からからめて、つゆを付けてささっとすする」という。「そうか、卵のことはギョクというんだ。こ・・・

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選択しない幸福

古代ギリシアのアテネでは、公職はある時から選挙ではなく抽選になったという。これは政治権力の独占を防ぐためだった。選挙になると、公職に強い動機を持つ者が立候補して、その中から選ぶしかなくなるが、そもそも公職に強い動機を持つ・・・

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戦争が廊下の奥に立ってゐた

昭和14年の『昭和俳句作品年表(戦前・戦中篇)』の頁に、渡辺白泉のこの標題の句が載っているのを見つけて、白泉はこれで特高に引っ張られたんだったっけなどと思いながら、パラパラめくっていたら種田山頭火の句も同じ年に載っていた・・・

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難有う

少し前の新聞に、夏目漱石の手紙が見つかったという記事が出ていた。自分の講演を英訳して送ってくれた学生へのお礼状で、新聞記事には「難有う」と書いてあったので、えっと思ったが、漢籍に詳しい漱石のことだから、間違うはずがないと・・・

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一般大衆諸君

大衆文化にどっぷりとつかった人を大衆というとすれば(というより大衆というんだが)、私は紛れもなく大衆である。というのも、モーツァルトやベートーヴェンを聞いても、ほとんど涙を流すことはないのに、テレビの『全日本歌唱力選手権・・・

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訴訟社会のオキテ

  ここ10年ぐらいで一番、目から鱗の出来事があったとすれば、それは、仕事のためにコミュニケーションがあるのではなく、コミュニケーションのために仕事があるとわかったことだ。といっても、恥ずかしながら、自分で悟ったのではな・・・

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本屋の風景

ナチス・ドイツに協力し、ゲシュタポの手先としてユダヤ人の逮捕や財産没収、レジスタンスの地下運動の弾圧に手を貸すフランス人の青年の鬱屈した姿とユダヤの娘との交流を描いたルイ・マル監督の映画『ルシアンの青春』は、40年近く前・・・

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バカの箱

「テレビはバカの箱」という言葉が韓国にはあるそうだ。韓国のテレビだけがとりわけてそうというわけでもないだろうし、日本のテレビも同じようなものだと思っていたら、日本のテレビは、同じ「バカの箱」でも、ちょっと違うのだという。・・・

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呼子と口笛

ブータンといえば、世界一幸せな国だと思っていたら、そう単純な話ではなかった。日本や欧米などの先進国は、国民の豊かさを示す尺度として国民総生産(GNP)や国内総生産(GDP)を掲げているが、ブータンでは国民の精神面での豊か・・・

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サッカーと作家

フランスの家族人類学者エマニュエル・トッドによれば、ドイツと日本は似た国である。何が似ているかというと、家族制度である。家族制度は、太古の時代のどこかで母権制から父権制へと変わったと見られているが、それはそのころの世界の・・・

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悲劇と喜劇

鹿児島の城山観光ホテルに泊まると、タクシーの運転手さんが道々、頼まなくても城山の史跡についてガイドしてくれる。ホテルの建つ城山は、130年以上前の西南戦争の最後の戦場になったところである。ふもとの城壁には4万の政府軍の銃・・・

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悪女の条件

犯罪の裏に女ありなどといわれるが、いまどきの犯罪では女性は裏に隠れていないで、表に出ていることが多い。いわゆる悪女の条件は次の4つであると、『中国現代悪女列伝』に書いてある。 1.美人である 2.才媛である 3.大きな事・・・

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対馬海峡冬景色

一般論としての話である。職場には上司と部下がいる。上司が部下に期待することは何か。自分の負担を分担して少しでも楽にしてくれることである。ところが、中には上司を楽にしてくれるどころか、上司の負担を増やしてばかりいる部下がい・・・

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