コラム

イキモノガタリ

2009年4月20日

 

生きものにたくさんの種類があるのは、どんなことがあっても生き延びるための戦略だといわれている。地球がひっくりかえるような天変地異が起きたり伝染病が蔓延しても、たくさんの種類があれば、どれかが生き残ることができる。だから、というわけではないが、生きものは、「みんなちがって、みんないい」のである。しかし、困ったものだが、世の中にはみんな同じでないと気が済まない人たちがいる。極端なはなし、ファシストというのはそういう人たちのことだが、会計士の多くも実はそういうメンタリティーを持っている。「みんなおなじで、みんないい」人たちである。だから、会計士に任せておくと世界中の会計をみな同じにする。それから、会社も公益法人もNPO法人も会計基準を作ってみんな同じにする。

時価会計も、そういうものの一つだった。それが百年に一度の経済危機を引き起こした原因の一端ではないかと、あるシンポジウムで話をした。日経産業新聞に小さく掲載される予定である。